越谷市出身のデータアナリストが見据える「グローカルな働き方」。そして、埼玉から世界へ
記事提供:埼玉ベース(@KOSHIGAYA02 )さん
埼玉に軸足を置きながら、多拠点で働く人たちにインタビューする本企画。
記念すべき第1回は、六本木、越谷を行き来しながらデータアナリストとして活躍する宮田和也さんをクローズアップ。
地元越谷や仕事に対する熱い思いを伺いました!!
●マーケティングデータアナリスト:埼玉県越谷市育ち
●青山学院大学 経済学部卒業後、外資系コンサルファームである、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社、キャップジェミニ株式会社を経て現職に至る
Twitter:@webkirin
専門性を磨き、目標とする海外へ。多忙を極めるデータアナリストの日常
―まずは、宮田さんの現在のお仕事について教えてください。
「六本木にあるスタートアップで、データアナリストとして働いています。その中で今僕が携わっているのは、データサイエンス事業の立ち上げ。
少しイメージしにくいかもしれませんが、小売店を訪れたユーザーの購買行動から販売促進につながる商品配置などを分析するようなサービスです。これは会社としても新しい取り組みで、僕は立ち上げメンバーの一人なんです。」
―イメージはつきました。(笑) 例えばどんなものが分析対象になるんですか?
「美容、医療、製造業、メディアも含めオールジャンルです。分析チームで導き出した最適解を社内で共有し、コンサルタントからクライアントに提案するケースが多いですね。」
―オールジャンルとは幅広いですね。
「僕は将来データサイエンティストとして海外で働きたいと思っていて。でもデータサイエンティストになるには、専門分野の知識が卓越していないとなれません。
Web、スポーツ、医療、製造…加えて、プログラミングと統計の高度な知識・スキルが求められます。僕が強いのは広告とビジネスの領域。やっていること自体はデータサイエンティストと変わらないけれど、まだまだその境地にたどり着けていないのでデータアナリストを名乗っています。」
―明確なビジョンをお持ちで素晴らしい。会社の仕事とは別で、非営利団体のお手伝いもしているとか。
「はい。無償ですがコンサルタントとしてサポートしているメディアが5つほどあります。SEOやSNS運用、あとはデータ・ドリブンの観点からコンテンツ制作のアドバイスをしています。
学生時代にグローバルな教育NPOでインターンをしていて、コンサルを始めたのも実はそれがキッカケでした。」
―勤務以外でそういった活動をするメリットはあるのしょうか。
「NPO=ボランティア団体と思われがちですが、実際はソーシャルベンチャーで社会問題を解決する組織なんです。だから僕みたいに、普段はコンサルファームに在籍しつつプロボノとして手伝いたいという志を持った人が参加しています。
大手コンサルティング会社の人とプロジェクトに取り組む機会もあり、そこから仕事に繋がることも。いずれも会社の外でなければ生まれなかったご縁ですし、僕は会社だけに依存して働くのはもったいないことだと思っています。」
―まず非営利でも関わり、そこから仕事に繋げていくというのはローカルにも生かせそう。今後も会社の仕事をしながら、非営利団体のサポートは続けていくのでしょうか?
「若いうちは続けるつもりです。そういった活動は長期的に自分のブランド価値を高めてくれるので。それに非営利団体のプロジェクトをしていると、会社とは違った側面から物事を見る視点が身につくんですよ。
ただ、非営利の労働市場はまだまだ未開拓なのが実情。スキルのある参加希望者がいたとしても、受け皿がないんです。“社会人プロボノ求む!”みたいな募集を出せばいいのに。多分僕のような人間は秒で食いつきますよ。ひと工夫するだけで人は集まるし、リターンを生むサイクルは確立できる。
そのような機会を見逃さないためにも、さまざまなところにアンテナを張っておく必要はあると思いますね」
グローカルな視点を身に付け、愛着のある越谷で仕事がしたい
―六本木の職場には、埼玉の自宅から通われているんですよね。
「はい、今住んでいるのが草加なので。でも土日は基本イオンレイクタウン(以下レイクタウン)のスタバで仕事をしています。昔バイトをしていたので知り合いが多く、居心地が良いんです。
最近は越谷レイクタウン駅近くのコワーキングスペース「HaLake(ハレイク)」にも足を運ぶようになりました。料金が安く、運営者の方が元エンジニアだからか同業者がたくさん集まっていて、いい意味での緊張感があります。」
―休日は埼玉を拠点にしているんですね。
「東京のコワーキングスペースと比べて雰囲気がゆったりしているのも良い。データアクセスの都合上やむを得ず六本木のオフィスまで通っていますが、できることなら越谷から出たくないです(笑)」
―越谷には思い入れが?
「越谷生まれで。そこから小・中・高とずっと越谷。都内の大学にも、越谷の実家から通っていました。なので僕の思い出や記憶が“魂”として強く残っている越谷には、特別な思いがあります。
越谷って村意識が強く、越谷を自分の一部として捉えている人が多いんですよ。昔はそれを何とも思っていませんでしたが、今は素敵なことだなって。そういうところも含めて好きです」
―越谷は宮田さんのルーツが詰まった場所なんですね。コワーキングスペースやカフェ、プライベートジムなども増え、昨今の越谷はめざましい発展を見せていますが、宮田さん的にも何か感じることはありますか?
「埼玉県の人口って右肩上がりですよね。越谷の人口も、緩やかだけど確実に増えている。ベッドタウンとしての需要が高いのだとは思いますが、数値的に見ても“東京より埼玉”“東京より越谷”と、わざわざ越谷を選ぶ人が増えてきているような気がします。
越谷がアップデートされて住みやすくなっている点は、少なからず影響しているかと。
ただ先ほど話した非営利団体と同じで、雇用の受け入れが少ない点は越谷にも共通する課題。街の活性を目指すなら、雇用の受け入れ体制は見直すべきだと思います。」
―個人としてはどんな課題があると感じますか?
「市民のマインドセットも重要。越谷にも勉強ができる人や考察力に長けた人、行動力のある人は山ほどいますが、フリーランスやITテクノロジーなどの話になった途端、〈俺なんて…〉と弱気になったり謙遜したりする人が多い。
そういったマインドセットを変えて、越谷で活躍できる人がどんどん増えていけば、東京や他エリアと競争できる地域になる可能性は十分にあると思います」
データサイエンスと、その先へ
―もしご自身のデータサイエンスを埼玉の活性化や地方創生に活かすとしたら、どんなアプローチがしたいと思いますか?
「僕から見た埼玉の弱点は、コンテンツ力。〈埼玉ベース〉や〈KOSHIGAYAZINE〉で発信しているデジタルコンテンツは非常に合理的だし、素晴らしいもの。だからデータ分析をしてうまくPRすればさらに認知は広まるし、埼玉に興味を持つ人がもっと増えるはず。
しかし、そもそもデータを取ろうとしていないケースが多いので、まずはそこからかなと。」
―確かにデータを取る意識は皆無でした、、。さらにどんなコンテンツが有効でしょうか。
「体験型アクティビティや動画コンテンツは、インバウンドを取り込む意味でも絶対に打ち出すべきですね。
もしそれらのコンテンツを作るなら、人にフォーカスしたものが良いと思います。登場してもらうなら、地元に魅力を感じつつ他地域のことも知っている“グローカルな人”が理想。
さまざまな場所に身を置いた人の声の方が、共感を呼びやすいので。
そういったコンテンツを作れば、地域の魅力は自ずと伝わってくるんじゃないかな」
―六本木、越谷、草加の3エリアを知る宮田さんならではの意見ですね。では宮田さんの今後の展望を教えてください。
「データサイエンティストとして海外に移住するか、海外で修行したあと日本で起業します。僕は経営に全く興味がないですが、海外で蓄えた実力・知識・経験が日本の役に立つならば、起業する方が良いかなと。
でも今はフリーランスとしてスペシャリストになりたい気持ちの方が大きい。さまざまな企業のデータを分析して効果的なインサイトを出し、〈コイツがいれば回る〉と言ってもらえるような“最強のエンジン”になりたいです。そしてまた越谷、草加に戻ってきたいと思います。」
―まさに、宮田さん自身がグローカルな人になりそうですね!
「そうですね。(笑)そのためにも3〜5年くらいは海外で経験を積みたいと思います。その時にグローカルな視点を身につける。そのあとは、データセキュリティの問題をクリアにできれば、愛着のある越谷を拠点にしてフリーで働きたいと思っています。
自分が一番安らげる場所で、自分らしく仕事がしたい。
僕が海外から戻ってくるころには、越谷がどんな風に進化しているか。今から楽しみですね」
宮田さんはバリバリで東京で働いているので、埼玉県や地元への愛着はあまりないと思っっていましたが、話を聞いてみるとイメージと違ったのが新鮮でした。
越谷の今後も宮田さんのこれからにも期待大ですね!
埼玉ベースでは引き続き埼玉県で活動している個人の方も取り上げていきますので、引き続きよろしくお願いします。
出演して頂ける方がいましたらお気軽にお問い合わせください!
▼Chiaki @chiaki
大阪出身・埼玉在住のコピーライター(兼エディター兼ディレクター)。
取材記事から販促コピーまで、あらゆるターゲットやコンセプトに即した編集・ライティングが強み。
食と温泉とお笑いが好き。
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