越谷「旧日光街道」が“レトロ&エシカル”な空間に!「ひなマルシェ 2019」レポート
「古いもの」と「新しいもの」。「若者」と「年配者」。地続きにある存在であるにもかかわらず、時に分断されてしまうことがある両者。
そんな「古い」と「新しい」が融合するイベントが、越谷で開かれました。
旧日光街道で2019年3月3日(日)に開催された「ひなマルシェ」。有形登録文化財に認定された古民家「はかり屋」を中心としたイベントです。
今回は、“古くて新しい越谷”に出逢いに行ってきた様子をたっぷりレポートします。
「ひなマルシェ」×「珈琲の日」×「雛めぐり」イベントが目白押しの1日
「ひなマルシェ」は、旧日光街道のシンボル的存在であり登録有形文化財でもある「はかり屋」が中心となって開催したイベントです。
テーマは「レトロ&エシカル」。テーマに共感した多数の飲食店や雑貨店が出店しました。
ひなマルシェについては、こちらの記事でもご紹介しています。
3/3(日)古民家複合商業施設「はかり屋」でレトロ&エシカルな「ひなマルシェ」開催
同じ旧日光街道沿いでは、越谷市内外から珈琲店が集まる「珈琲の日」、商店や古民家に飾られたひな人形やつるしびなが見られる「雛めぐり」も同時開催されました。
イベント会場の一部は歩行者天国に。のんびりと街歩きも楽しめるイベントです。
コーヒーの飲み比べをしながら旧日光街道をぶらり歩き
歩行者天国の入口には、真っ赤な「珈琲の日」の看板が。ここから春日部方面に向かって歩きます。
到着したのはイベント開始時刻の午前10時過ぎ。開始直後+雨天にもかかわらず、すでに通りには多くのお客さんの姿がみられました。
まずは、1,000円で4杯コーヒーが飲めるテイスティングチケットを購入します。紙コップのデコレーションができるシールもついています。
さっそくコーヒーを購入します。
まず購入したのは、「暮らしの珈琲研究所」さん。実売店舗はなく、イベント時に出店されているのだそう。
この日の気温は7度。紙コップごしに感じるコーヒーのあたたかさがたまりません…。
後味はすっきり。酸味が感じられるコーヒーでした。
お次は「まめしばコーヒー」さんへ。
お土産にいちごホワイトチョコレートマフィンも購入しました。ちょっぴり苦めのコーヒーが身体に染みわたります…。
3店舗目は長蛇の列に誘われて並んだ「Bespoke Coffee Roasters」さん。こちらも実売店舗はなく、ふだんはインターネットでのみ珈琲豆を販売しているお店なのだそうです。
「ジャパンカップテイスターズ チャンピオンシップ」第2位、「ジャパン ブリューワーズカップ」第3位と数々の賞も受賞されています。
「コーヒーの賞って、ものすごくたくさんあるんですよ」と笑顔で説明してくださいました。2種類用意されたテイスティングコーヒーのうち、深煎りをチョイス。列が列を呼ぶのか、次々にお客さんが並んでいました。
最後の1杯は地元・越谷のロースター「豆工房ローストオリティエ」さんで。
オーダー後に目の前で焙煎し、待ち時間にコーヒーをサービスしてくれるお店です。この日のテイスティングコーヒーのために仕入れたのだというスペシャルティコーヒーをいただきました。
「聴いて」味わうスペシャルLIVE
「珈琲の日」で味わえるのは舌だけではありません。
12時~、13時半~の2回、「COINN」さんのスペシャルLIVEが開催されていました。陽気な音楽が気分を盛り上げます。傘を片手に、多くの人が足を止めていました。
コーヒーを片手に音楽に耳を傾ける時間は、とても贅沢。子どもも一緒に楽しめる、手遊びを取り入れた歌も披露されていました。
目も舌も楽しめる「ひなマルシェ」
春日部方面にずっと歩いていくと、右手に見えてくるのが「はかり屋」。ひときわ目立つ存在感です。
通りに面する「つると」さんでは、商品の販売のほか、着物体験ができるイベントも。着られている方にお話を伺えたのですが、「意外と寒くないんです」とのこと。着てみたかった…。(余談ですが、筆者は5歳の息子連れだったため、着物にはなれなかったのです)
KOSHIGAYAZINE男性陣も着付けをしてもらっていましたよ。
「modest」さんでは、テイクアウトのほか、店内でも食べられるスープやパイ包み、マカロンやチャイが販売されていました。
ちょうど席が空いていたため、店内でいただきます。
スープとチャイをいただき、すっかり冷え切った身体が、芯からじんわ~っとあたたまりました。個人的にあまりおいしいと感じたことがないマカロンが、めちゃくちゃおいしくてびっくり。
生地がもさもさしていなくて、口に入れたときに自然にとろけていくような食感です。
パイ包みは生地のサクサク感はもちろん、ぎゅぎゅっと詰められた具がたまらなくおいしい。
「短角牛の赤ワイン煮込み、りんご、黒コショウを合わせたもの」だそう。口のなかでほろほろほどけるお肉。しっかり味がついているのにくどくなく、あと何個か追加で食べたかったです…。
「minette」さんでは、個人的にずっと買いたかったキッシュと、イベントのため特別に用意された「コックオーヴァン」を購入。寒い日にあたたかいメニューは数倍増しでおいしい…。
キッシュは帰宅後いただきましたが、具材ぎっしりで美味。「白菜とパルメジャーノチーズ」と春限定の「桜エビとキャベツ」を購入しました。
アートだるまが集結…!
「だるま」のイメージがアップデートされる「越谷だるまアート」。はかり屋の1番奥では、この日のために作られた越谷だるまがずらりと並ぶ「越谷だるま芸術祭」が開かれていました。
春をテーマにしたバラエティ豊かなだるまたち。作家の個性が光ります。
「ふだんは平面に描いているので、だるまに描くのは難しかったです」と語ってくれたのは、四季を人生になぞらえ、「春=子ども時代」を描いた三ツ井さん。「寝ずに4日間、実は今朝まで描いていました(笑)」と教えてくれました。
越谷だるま芸術際は、三ツ井さんと紫地にエビが印象的なだるまを制作した押田さんが中心となり企画・開催。きっかけは2月に行なわれた「ネギ展」だったのだそうです。
雛かざりを見て、食べて、歩いて。地元店の方との触れあいも楽しい
ふだん旧日光街道で営んでいるお店もイベントに参加していました。
こちらは豆類を販売している乾物屋さん。豆のほか、グラノーラを販売しているお菓子屋さんとコラボしたヨーグルトも販売されていました。試食用の豆がおいしくて一袋購入。豆、煮たことない女なのですが…。
こちらは和菓子屋さん。店頭で販売されていた焼きだんごを購入しました。
昔から商売をされている店は、行ったことがない人にとって時としてちょっぴり入りづらい印象があるもの。イベントは、そうしたお店に入りやすくなるいい機会でもあるのですね。
そこかしこに飾られている雛かざりも印象的でした。「越谷ひな人形」は越谷市の伝統的地場産業であり、伝統的手工芸品。「ひなマルシェ」や「珈琲の日」は新しいイベントですが、「雛めぐり」は今回で7回目を数えるイベントなのです。
これだけさまざまな表情をみせるひな人形を一度に見る経験はないので、新鮮な気持ちになりました。古いものを見ていると、何だか心が落ち着くようにも感じます。
歴史ある通りで、新たな盛り上がりをみせる「ひなマルシェ」
あいにくの天気にもかかわらず、多くの人でにぎわいをみせた「ひなマルシェ」。授乳室も用意されている、親子連れでも楽しめるイベントです。実際に老若男女さまざまな方が訪れていました。
古民家を中心とした歴史のある旧日光街道に、現代の飲食店や雑貨店が軒を連ねる「ひなマルシェ」。「古い」と「新しい」が融合した、心華やぐ素敵なイベントでした。
〈企画・撮影・文:卯岡若菜〉
Sponsored Links
お問い合わせ CONTACT
KOSHIGAYAZINEへのご相談は、
お気軽にお問い合わせください。
担当者よりご連絡いたします。