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クラフトビールの次はこれだ。“世界的ニューウェーブ”「クラフトジン」の今を巡る旅

ヨーロッパを起点として、世界的なトレンドとして注目を集めているのが「クラフトジン」。日本でも、2016年秋に国内初の「クラフトジン専門」の蒸溜所が京都で始動し、今年に入ってからは、大手酒類メーカーもこの分野に参入。2017年は「クラフトジン元年」とも呼ばれている。

クラフトジンとは、こだわりを持ってつくられた少量生産のジンのことで、クラフトビールの「ジン版」と言えば分かりやすいだろう。クラフトジンは、ボタニカル(主にハーブや果皮)にジュニパーベリーを使用していれば良しとされ、作り手の自由度が高い。

そのため、作り手はジンの味を決めるボタニカルに注力でき、産地特有のボタニカルを使用することで地域や生産者の個性を発揮できる。世界には1,000以上のクラフトジンがあるとされ、その中には、養蜂家が造るはちみつの味が強いジンや、フランスのぶどうを活かしたワインのような味わいのジンが登場するなど、その飲みやすさとバラエティー豊かな味わいが飲む者の心を鷲掴みにしている。

また、ボトルデザインもお洒落で個性的なモノが多くSNS映えし、部屋に置くことでインテリアとしても機能するなど、人気の理由をあげればキリが無いだろう。

そんなネクストトレンドを担うクラフトジンの今を知るため、京都にある日本初のクラフトジン蒸溜所や都内にも増えつつあるクラフトジンが愉しめるお店などを訪ねてみた。

 

“日本初”のクラフトジン専門の蒸溜所。クラフトジンブームの火付け役、「季の美 京都ドライジン」を開発した京都蒸溜所を訪れた

京都蒸溜所内観

 

毎年世界各国から多種多様なお酒がエントリーされる英国の酒類品評会「IWSC」(インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション)2017年度の「コンテンポラリージン」カテゴリーで金賞を受賞した「季の美 京都ドライジン」。それを造っているのが日本初「クラフトジン専門の蒸溜所」として注目を集めた京都蒸溜所だ。

 

2016年10月に国内発売を開始したばかりの「季の美 京都ドライジン」。日本でもクラフトジンブームがじわじわと広がってきているなかで、その火付け役とも言える、クラフトマンシップ溢れる小さな蒸溜所を訪れた。

 

京都駅から車を走らせること15分。「THE KYOTO DISTILLERY」と円形型の小さな看板がぽつりと掛かった工場のような建物がある。倉庫のような外観からは想像もつかない内部には、蒸溜設備がギュッとコンパクトにまとめられている。

季の美

 

檜、柚子、檸檬、玉露、山椒など和のボタニカルが香る「季の美」は、江戸時代から続く京都の老舗唐紙屋を継承した「KIRAKARACHO」が文様監修した日本の四季を連想させるボトルデザインが印象的だ。ベーススピリッツはジンをつくるうえでは珍しい“ライススピリッツ(米)”を使用しており、これによって「季の美」の特徴である柔らかな味わいが引き出される。

チーム京都蒸溜所

 

京都蒸溜所の代表であるデービット・クロール氏(右)は英国出身。これまでスコッチウイスキーを中心に輸入・販売を手掛け、7年ほど前から世界的なトレンドになりつつあったクラフトジンを自分でも造りたいという想いを胸にし、長年の日本での生活で「京都」に魅了されていた同氏。以前から親交があり、蒸溜経験もある現テクニカルアドバイザー大西氏(左)に話しを持ちかけたところ意気投合し、「季の美」プロジェクトが始動したという。

 

また、クロール氏は京都を新しいジン造りの舞台にした理由を、「京都の歴史や伝統が持つ文脈(バックストーリー)と京都ならではのボタニカル(酒処・伏見の名水や宇治の玉露などの素材)が多く揃っていたこと、そして京都のチャレンジに寛容な風土など様々な要素が私の目指すジンにマッチした」と話す。

 

また、英国のヘリオット・ワット大学で醸造・蒸留学を勉強し、コッツウォルズ蒸溜所ではヘッドディスティラーを務めたアレックス氏(中央)がジョインしたことも京都蒸溜所の成長に大きく貢献していると言う。

6つのボタニカル

 

「季の美」のボタニカルは、京都蒸溜所チームが生産者のもとへと足を運び、自らの目で厳選したという6カテゴリ11種の素材を使用。「ベース」として、ジュニパー、オリス、檜が「季の美」の脊髄を形成。

そこに、京都産の柚子、レモンの「シトラス」が、柔らかい酸味と個性を与える。山椒や木の芽の「ハーバル」が香味を引き締め、「スパイス」として生姜が味わいとおいしさと複雑さを演出。笹・赤紫蘇の「フルーティ&フローラル」は、ほんのりとしたアクセントになり、京都の老舗茶舗の玉露が京都らしい「優しさ」で包み込む。

アレックス氏

 

京都蒸溜所は、蒸溜製法も独特。すべてのボタニカルを調合していっぺんに蒸溜する場所が多いが、ここではこだわりぬいた素材の良さを最大限に引き出すべく、6つのカテゴリ毎に蒸溜し、その後にブレンドするという「雅」製法を編み出した。ブレンドは、0.1%単位の比率で何度も試作を重ねた結果、今の形に辿り着いたという。伝統と革新と職人魂が生み出したプレミアムクラフトジン、それが「季の美」なのだ。

腕を組むチーム京都蒸溜所

 

「季の美」を日本のクラフトジンのスタンダードにしたいと語るクロール氏。京都から日本の魅力を伝えるべく、インド、シンガポール、イタリア、アメリカなど、海外にも進出。「京都蒸溜所」の挑戦はまだ始まったばかりだ。

 

ここでしか味わえない“季の美”を。「フォーシーズンズホテル京都」

庭園と季の美

 

京都駅から車で10分のところに位置し、様々なテイストの「季の美」を味わえるのが、「フォーシーズンズホテル京都」内にあるレストラン「ブラッスリー」だ。

季の美ジンテイスティングセット

 

「季の美」が発売された翌日に開業したという同店の魅力は、なんといっても「季の美ジンテイスティングセット」(2,500円、税別)。「季の美」をはじめ、取り扱いが少ないとされる抹茶テイストのクラフトジン「季のTEA」、アルコール度数が高くパワーのある「季の美 ネイビーストレングス」の3種から1種をセレクトし、ベリー、レモン、シナモン、ハーブやトニックウォーターなど自分好みのモノをグラスに入れてオリジナルの「季の美」をテイスティングすることができる。(追加テイスティングは1種につき、1,500円、税別で可能)

ブラッスリーのバーテンダー

 

また、「季の美」を使用したここでしか味わえないオリジナルのカクテルもおすすめ。自家製緑茶シロップとミントウォーターでつくる甘く飲みやすい「スイート煎茶ギムレット」(2,100円、税別)、2Fにあるラウンジでは、ドライベルモットと柚子ビターズが融合した「季の美マティーニ」(2,100円、税別)、地元伏見の日本酒とのハーモニーが魅力の「京都サケティーニ」(2,100円、税別)なども味わうことができる。

スイート煎茶ギムレット

 

今年の10月には同時期に1周年を迎えるにあたり、「季の美ディナーパーティー」も予定しているというフォーシーズンズホテル京都の「ブラッスリー」。

京都ならではのクラフトジンを味わうことができるこの場所は、ニューウェーブを抑えておくためにも是非とも行くべきだろう。

店名:フォーシーズンズホテル京都 レストラン「ブラッスリー」

住所:京都府京都市東山区妙法院前側町445-3

営業時間:朝食 7:00~10:30、ランチ 11:30~14:30、ディナー 17:30~22:00

定休日:無休

TEL:075-541-8288

URL:http://www.fourseasons.com/jp/kyoto/…(公式)

高円寺からクラフトジンを発信。希少な世界のクラフトジンが集まる、「THE DAY FOOD LAB」

THE DAY FOOD LABで提供するクラフトジン

 

舞台を東京に移そう。高円寺駅から徒歩3分程の「THE DAY FOOD LAB」は、オランダやドイツ、イギリス、スペインなどオーナーの菅原氏自らが厳選した約30種のクラフトジンが愉しめるお店。

アートスペースとしても使用可能な白を基調とした壁と木のテーブルが、モダンかつ温かみのある空間を演出。

THE DAY FOOD LAB内観

 

「自分が飲んで美味しいと思ったものだけを提供したい」との想いから、種類の多さでは勝負しないというのが同店のスタンス。クラフトジンは3種のテイスティングセットがあり、気になるもの、オススメのものと好きなように選べる。

 

菅原氏がクラフトジンの素晴らしさに出会うきっかけとなったというのが、MONKY 47(1,000円、税込)。普通ジンと言えばベーススピリッツに4種類程度のボタニカルを組み合わせるが、モンキー47はそのネーミングからも分かる通り、47種類のボタニカルを組み合わせている。かなりの曲者かと思いきや上品な香りで飲みやすい。クラフトジンビギナーにもおすすめだ。

クラフトジン4種

 

香料不使用でトニック本来の味が味わえるプレミアム・トニックウォーター「フィーバーツリー・トニックウォーター」をメインに使用し、作り手とその土地が生み出す個性豊かなクラフトジンの味わいを引き出してくれる。

王道のものだけでなく、菅原氏が選んだ希少なクラフトジンも飲んでみたいという人にレコメンドしたいお店だ。

店名:THE DAY FOOD LAB

住所:東京都杉並区高円寺北3-23-11 アンシャンテビル 2F

営業時間:ランチ 12:00-14:30(L.O.)、ディナー 18:00~翌1:00(L.O.)

定休日:なし

TEL:03-5356-8900

URL:http://www.thedaytokyo.com/(公式)

https://r.gnavi.co.jp/8ptt3prn0000/(ぐるなび)

 

その数、230種以上。”世界のクラフトジンを知る男”が展開する「GOOD MEALS SHOP 渋谷本店」

GOOD MEALS SHOPで提供するクラフトジン

渋谷駅から歩くこと約10分のところに、「GOOD MEALS SHOP」がある。同店では、イギリス、アメリカ、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダなど、世界各国の個性豊かなクラフトジン約230種を常備し、日本一の品揃えを誇る。

 

「GOOD MEALS SHOP」のコンセプトは、「なるべく体にいいものを、なるべく手作りで」。ケチャップやマヨネーズの調味料から、コンビーフやチキンナゲット、ナチュラルな素材で作るアイスキャンディなどのフードに至るまで一貫してハンドクラフト(自家製)にこだわっている。

 

世界のビールと料理が楽しめる「TOKYO FAMILY RESTAURANT」を手掛けた三浦武明氏が2014年にオープンした同店。「世界の食事情に精通」している三浦氏が5年ほど前から世界的にクラフトジンが流行し始めていることにいち早く目を付け、「GOOD MEALS SHOP」でも扱うことを決めたという。今では、クラフトジンの社交場として、一般客はもちろんのこと、バーテンダーやアルコールメーカーの方が訪れるなど、飲み手も作り手も楽しめる場となっている。

 

「丁寧に作られたモノを丁寧に売る」という三浦氏のフィロソフィーが、その土地の個性やアイデアが詰まったクラフトジンの持つスピリットと上手くマッチした。三浦氏は、「クラフトジンの楽しさを知ってもらいたい」との想いから、同店でクラフトジンの知識を深め、おいしく飲んでもらうためのワークショップを開催。他にも、世界のクラフトジンメーカーへの視察や、インテリアメーカーの展示会にクラフトジンブースを展示するなど、精力的に活動している。

クラフトジン テイスティングセット

 

「世界のクラフトジン」を知り尽くした同店では、「クラフトジン テイスティングセット」(3種1,500円、税込)が楽しめる。 月替わりのジン6種類の中から3種をセレクトでき、同店がレコメンドするバラエティー豊かなクラフトジンの魅力に触れることができる。ロックで飲むのもよし、トニックウォーターで割って飲むのもよし、作り手とその土地の「らしさ」と飲み方によって異なる「味わい」を充分に堪能できる。

この日レコメンドしてくれたのは、クラフトジンビギナー向けの3種。

左からアメリカバーモント州の農業と養蜂をルーツとしたジンでほのかな甘さと季節の花の香りが豊かな「バーヒルジン」。

フィンランドの森林からとれたバラやジュニパーベリーなど希少な野生のボタニカルを使用したスムース&フローラルな「テヌジン」。

イギリス産のカルダモン、オレンジ、シナモンの心地よい香りとクリーミーな味わいが魅力の「バスタブジン」。

オススメしてくれたジンはどれもロックで飲むと個性の強さを感じるが、トニックウォーターで割ることでとても飲みやすく頂くことができた。

「世界のジン名鑑」のようなメニュー

 

テーブルには、クラフトジンの「出身地」や「個性(味わい)」が明記されたメニューが用意されている。随時アップデートされる「世界のジン名鑑」のようなメニューを捲りながら、どんなジンを飲もうかと選ぶ時間まで楽しくなる。

 

天然素材のプレミアム・トニックウォーターで割ってシンプルに楽しむ「クラフトジン&トニック」(850円~、税込)を頼むときにも役立つだろう。

フレッシュ ボタニカル ジン&トニック

 

無農薬栽培のハーブやエディブルフラワー(食べられる花)をあしらった「フレッシュ ボタニカル ジン&トニック(1,200円、税込)」。オリーブ、バジル、ローズマリーをボタニカルとして使用したクラフトジン「ジンマーレ」との相性は抜群。特にローズマリーの爽やかな風味が引き立てられ、より一層クリアな味わいと芳醇な香りを楽しめる。

購入可能な約60種のクラフトジンその1

 

「クラフトジンはボトルやラベルも面白いのでジャケ飲み&ジャケ買いするのもおすすめです」と三浦氏が述べるように、同店では、多様なクラフトジンが飲めるだけでなく、約60種のクラフトジンを購入することも可能。

購入可能な約60種のクラフトジンその2

 

お洒落なボトルデザインのものを、インテリア雑貨として使用するために買っていく人もいるのだとか。

クラフトジン全種

 

クラフトジン業界を牽引する三浦氏に、自身の今後の展望を尋ねると面白い答えが返ってきた。

「いま、九州で『GOOD MEALS SHOP』オリジナルブランドのクラフトジンをつくっているんです。今年中には発売できると思いますよ。」

どうやら、「日本の良さが詰まった日本でしかつくれないクラフトジン」を開発中のようだ。

後から振り返ると2017年が「元年」になると三浦氏が言うように、これからの展開が楽しみなクラフトジン。カフェのように爽やかで明るい内装の同店では、コーヒーを飲む感覚で最新のクラフトジン&トニックを試すことができる。

“世界を知る男”が開いた店が、あなたの世界を広げるかもしれない。

 

店名:GOOD MEALS SHOP 渋谷本店

住所:東京都渋谷区東1-25-5 2F・3F

営業時間:2F/スタンド 12:00~24:00 (L.O. 23:00)、3F/Dining ランチ 12:00~16:00 (L.O. 15:00) 、ディナー 18:00~24:00 (L.O. 23:00)

定休日:日曜

TEL:03-6805-1892

URL:http://www.flyingcircus.jp/(公式)

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